wish構文の基本ルール|仮定・後悔・願望を表す表現の使い方

英語の wish は「〜であればいいのに」「〜だったらよかったのに」と、現実と違う状況を想像して願うときに使います。例えば、「背が高ければいいのに」「もっと勉強しておけばよかったのに」といった表現です。
ただし、日本語の「〜したい」にあたる want とは使い方が異なります。wish は「事実とは違うこと」や「実現が難しいこと」に対して使うのがポイントです。
今回は、wish を使った基本的な構文を整理し、「現在」「過去」「未来」のそれぞれの場面でどのように使うのかを解説します。
1. wish 構文の基本
wish は「現実とは違うことを願う」「実際にはそうでないことを望む」ときに使います。そのため、wish の後ろは仮定法を用いるのが大きな特徴です。
主なパターンは以下の3つです。
用法 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
現在の事実と違うことを願う | 「〜であればいいのに」 | I wish I were taller.(もっと背が高ければいいのに) |
過去の事実と違うことを願う | 「〜すればよかったのに」 | I wish I had studied harder.(もっと勉強していればよかったのに) |
未来に起きてほしいことを願う | 「〜すればいいのに」 | I wish it would stop raining.(雨が止めばいいのに) |
wish の構文では「現実と違う」と強調するために、動詞の時制を一段階過去にずらして表現します。ここが学習者が特に混乱しやすいポイントです。
- 現在のことを願う → 動詞を過去形にする
- 過去のことを願う → 動詞を過去完了形にする
- 未来のことを願う → would を使う
2. 現在のことを願う:I wish + 過去形
現在の状況を変えたい、今そうであればいいのにと思うときに使います。
このとき、wish の後ろには過去形を置きますが、意味は「過去」ではなく「今」に関する願望です。これは「仮定法過去」と呼ばれる使い方です。
- I wish I were taller.
(もっと背が高ければいいのに)
→ 実際は背が高くない。
一人称でも was ではなく were を使うのが仮定法の特徴です。
- She wishes she could speak French.
(彼女はフランス語が話せればいいのにと思っている)
→ 実際にはフランス語が話せない。
上記の例文では能力を表す can を過去形 could にして「できればいいのに」と表現しています。
3. 過去のことを願う:I wish + 過去完了
「過去に実際とは違うことが起きてほしかった」「あのとき〜していればよかった」と後悔を表すときに使います。
この場合は、仮定法過去完了(had + 過去分詞)を用います。
- I wish I had studied harder.
(もっと一生懸命勉強していればよかったのに)
→ 実際は勉強しなかった。 - He wishes he had gone to the party.
(彼はそのパーティーに行っていればよかったと思っている)
→ 実際は行かなかった。
このように、過去を振り返って後悔や残念な気持ちを表すのが、仮定法過去完了の役割です。
4. 未来のことを願う:I wish + would
未来に変わってほしいことや、相手の行動に対する不満や希望を表すときには would を使います。
「〜してくれればいいのに」「〜になればいいのに」といったニュアンスです。
- I wish it would stop raining.
(雨が止めばいいのに)
上の例文では、「今は雨が降っており、この状況が変わってほしい」という願いを表しています。
- She wishes he would call her more often.
(彼女は、彼がもっと頻繁に電話してくれればいいのにと思っている)
実際にはあまり電話をしてこない、そのために「もっと〜してほしい」と願っている状況です。
このように、would を使うことで「未来の変化を期待している」という意味合いを表せます。特に、相手や状況が変わることを望むときによく使われます。
5. まとめ
- wish は「現実とは違うことを願う」表現。wish の後ろは「仮定法」の形になる。
- 時制をずらして「現実とは違う」ことを表す。
- 現在の願望 → I wish + 過去形(I wish I were〜.)
- 過去の後悔 → I wish + 過去完了(I wish I had〜.)
- 未来の願望 → I wish + would(I wish it would〜.)