【英語フレーズ#9】バスで席を譲る

バスや電車といった公共交通機関を利用しているとき、高齢の方や妊娠中の方、小さな子どもを連れた人、体の不自由な方を見かけることがあります。
そのような場面で、やさしく席を譲ることができれば印象も良く、現地の人との距離も縮まります。
英語圏でも「公共の場での気づかい」はとても大切にされており、声をかけて席を譲る行為は、文化を超えたマナーとして評価されます。
このレッスンでは、バスの中で席を譲るときの英語表現、その文法や語法のポイントまで詳しく解説します。
会話例

Excuse me, would you like to sit down?
すみません、よろしければお座りになりますか?

Oh, thank you. That’s very kind of you.
まあ、ありがとうございます。ご親切に。

Please, take my seat. I’m getting soon anyway.
どうぞ、私の席をお使いください。もうすぐ降りますので。

I really appreciate it. It’s been a long day.
本当に感謝します。今日は長い一日だったので助かります。

No problem at all. Take care.
とんでもないです。どうぞお気をつけて。

Thank you. Have a nice day.
ありがとうございます。良い一日を。
重要フレーズの紹介
Would you like to sit down?(お座りになりますか?)
丁寧な申し出の定番表現。「Would you like to ~?」は「〜していただけますか」「〜されたいですか?」といった控えめで丁寧なニュアンスがあり、知らない人や年上の人に声をかけるときに適しています。「Do you want to sit?」よりもソフトで礼儀正しい印象です。
That’s very kind of you.(ご親切にありがとうございます)
「It’s very kind of you to ~.」の変形で、直訳すると「あなたのその行動はとても親切です」という意味になります。人から配慮や助けを受けたときの感謝表現として、英語圏ではよく使われます。似た表現に「That’s so nice of you.」もあります。
Please, take my seat.(私の席をお使いください)
take my seat は「席を譲る」という意味の直接的な表現。please をつけることで丁寧な印象に。「You can have my seat.」や「Would you like my seat?」といったより控えめな言い方もありますが、「Please take my seat.」はシンプルながらも温かみのある申し出として使いやすい表現です。
I’m getting off soon anyway.(もうすぐ降りますので)
席を譲る理由を添えることで、相手に気を使わせずに自然に座ってもらえます。anyway(いずれにせよ)を加えることで「どのみち降りるので大丈夫ですよ」というニュアンスが出て、よりやさしく聞こえます。
Have a nice day!(良い一日を)
日常会話で非常によく使われるあいさつ。丁寧なやり取りの締めくくりとして定番の表現です。You too!(あなたもね!)と返すのが自然。出会いやちょっとしたやりとりの最後に使えば、好印象を残すことができます。
文法のポイント解説
1. 丁寧な依頼・申し出の基本形:Would you like to ~ ?
「Would you like to ~?」は、相手の意向を尊重した申し出や誘いをするときに使われる非常に丁寧な表現です。
「~されたいですか?」「~しませんか?」といったニュアンスを含んでおり、知らない相手や初対面の人にも失礼なく話しかけることができます。
- Would you like to join us?(ご一緒しませんか?)
- Would you like to have a seat?(おかけになりますか?)
なお、「Do you want to ~?」も同様の意味で使えますが、ややカジュアル寄りで、相手によってはフレンドリーすぎる印象を与える可能性があります。
そのため、公共の場では「Would you like to ~?」のほうが無難です。
2. 人の行動に対する定型表現:That’s very kind of you.
相手の行動に対して「ありがとうございます」と言うとき、「そのご親切に感謝します」とより丁寧に言いたい場合に使えるのがこの表現です。
That’s + 形容詞 + of + 人
「あなたの〜な行動は〜です」という意味を持つ、感謝や賞賛を表す定型表現です。
「of + 人」が「その人の性質・行動」を評価している点に注目しましょう。
3. 命令形を丁寧にする「please + 動詞」
「Take my seat.」は命令文ですが、pleaseを文頭につけることでやさしく丁寧な響きにすることができます。
please の有無で印象が大きく変わるため、公共の場では「please + 動詞」という形にしましょう。
4. 近い未来を表す進行形:I’m getting off soon anyway.
この文は、「もうすぐ降りますから(席を使ってください)」という意味です。
ここでの anyway は「いずれにせよ」という意味で、申し出が遠慮されそうなときに「気にしないでください」と添えるやさしい一言です。
そして重要なポイントは、 I’m getting off の進行形の使い方です。
【現在進行形】I am + 動詞のing形
英語では、近い未来に確実に予定されていることを現在進行形で表すことがよくあります。
- I’m getting off soon.(もうすぐ降ります)
- I’m leaving in a minute.(すぐ出発します)
- I’m meeting a friend later.(あとで友達と会う予定です)
このように現在進行形は「今していること」だけでなく、「近い未来の予定」にも使われます。
会話で自然に未来を表現したいときに便利な文法です。
5. 定番のあいさつ表現
「Have a nice day!」は、丁寧で気持ちの良い別れのあいさつとして、日常的に使われる定番フレーズです。
Have + a + 形容詞 + 名詞(名詞句)
この構文で「〜な日を過ごしてね」という意味になります。
- Have a good evening.(良い夜を)
- Have a great trip.(良い旅を)
- Have fun!(楽しんで!)
まとめ
- Would you like to sit down?:丁寧に「お座りになりますか?」と申し出る表現。初対面の人にも自然に使える。
- That’s very kind of you.:感謝をやさしく伝える定番表現。「ご親切にありがとうございます」のニュアンス。
- Please take my seat.:率直に席を譲るときの表現。丁寧さを保ちながら意図を明確に伝える。
- I’m getting off soon anyway.:遠慮する相手へのやさしい配慮。「もうすぐ降りるので大丈夫」と安心させる。
- Have a nice day! / You too!:親切な行動のあとのあいさつとしてぴったり。気持ちよく会話を締めくくれる。