英語の仮定法では、if を使った標準的な文のほか、if を省略して倒置を用いる形もよく使われます。
特に書き言葉やフォーマルな文体で使われるため、省略形の理解はリーディングに不可欠です。
今回は、仮定法で使われる省略形の基本ルールと、典型的な倒置パターンを解説します。
1. 仮定法の省略形の基本
通常、仮定法は以下のように 「if 節 + 主節」で表します。
- If I were you, I would take the job.
(もし私があなただったら、その仕事を引き受けるだろう)
一方で、if を省略して、助動詞や be 動詞を前に倒置する仮定法も使われます。
- Were I you, I would take the job.
(もし私があなただったら、その仕事を引き受けるだろう)
→ if が消える代わりに動詞が文頭に出る。
意味は通常の if 文と変わりませんが、より簡潔でフォーマルな印象になります。
2. 代表的な倒置のパターン
仮定法の省略形には、主に were / had / should の3つのパターンがあります。
2-1. were を使う場合(仮定法過去)
be 動詞が使われる文では、if を省略して「Were + 主語 〜」の形にできます。
- If I were rich, I could travel around the world.
→ Were I rich, I could travel around the world.
(もし私が金持ちだったら、世界中を旅行できるのに)
2-2. had を使う場合(仮定法過去完了)
過去の事実に反する仮定では、「If + had」を「Had + 主語 〜」に倒置できます。
- If I had studied harder, I would have passed the exam.
→ Had I studied harder, I would have passed the exam.
(もっと勉強していたら、その試験に合格していただろう)
2-3. should を使う場合(未来に対する仮定)
「万が一、〜したら」という未来に関する仮定では、「If + should」を「Should + 主語 〜」に倒置できます。
- If you should need any assistance, please contact me.
→ Should you need any assistance, please contact me.
(万が一助けが必要でしたら、私にご連絡ください)
should の省略形は、特にフォーマルな依頼や案内でよく見られる表現です。
3. まとめ
- 仮定法の省略形は、if を省略して助動詞やbe動詞を文頭に出す倒置形。
- 主なパターンは3つ:
1. Were + 主語(例:Were I you, I would try it.)
2. Had + 主語(例:Had I known it, I would have told you.)
3. Should + 主語(例:Should you need help, call me.) - 意味は if を使った文と変わらず、よりフォーマル・洗練された印象になる。