初級文法

Lesson 06|人称代名詞の使い方

image
青葉

英語の文を作るうえで避けて通れないのが「人称代名詞」です。「I(私は)」「you(あなたは)」「he(彼は)」のような言葉は、会話でも文章でも頻繁に登場します。

これらの語は、人や物の名前を繰り返さずに表す便利な言葉です。さらに、主語として使うのか、目的語として使うのかで形が変わるという特徴があります。

このレッスンでは、英語の人称代名詞の種類と使い方を、例文を交えて詳しく解説します。

人称代名詞の種類と基本ルール

人称代名詞とは?

人称代名詞は、文中で「人・物・動物」などを指す代名詞のことです。英語では、文の中でその代名詞がどんな働きをするかによって形が変わります。

  • Tom is a teacher. He is kind.(トムは先生です。彼は親切です)
    →「Tom(トム)」という名前を繰り返さず、「he(彼)」で代用。

このように、人称代名詞を使えば人や物を繰り返し言わなくて済むので、会話でも文章でも非常に便利な語です。

文の中での働きによる分類

人称代名詞は、文の中でどんな働きをするかによって、次のように形が変わります。

用語働き例文
主格文の主語になるI am a student.(私は学生です)
目的格動詞や前置詞の目的語になるShe likes me.(彼女は私が好き)

英語では「主語が必ず必要」なので、主格は非常に使用頻度が高く、文の先頭に来るのが特徴です。

人称・数・性別による分類

英語の人称代名詞は、以下の3つの軸で形が変わります。

人称(誰を指すか)

  • 一人称:話し手(I, we)
  • 二人称:聞き手(you)
  • 三人称:話し手・聞き手以外の人物や物(he, she, it, they)

数(単数/複数)

  • I, you, he, she, it → 単数
  • we, you, they → 複数
    you は単複同形(1人にも2人以上にも同じ形)

性別(特に三人称単数)

  • 男性:he / him
  • 女性:she / her
  • 性別なし:it(物・動物・状況など)

主格・目的格 一覧

人称主格(主語になる)目的格(目的語になる)備考
一人称単数ImeI は英語で唯一、常に大文字で書く
二人称単数・複数youyou単数・複数とも同じ形
三人称単数(男性)hehim性別を区別
三人称単数(女性)sheher性別を区別
三人称単数(物・動物)itit無生物や抽象的なものに使用
一人称複数weus話し手を含む複数
三人称複数theythem3人以上、または性別混合で使用

例文と解説

I like pizza.(私はピザが好きです)

主語「I(私)」は 主格。動詞 like の前に置かれます。「I」は必ず大文字で書くのが英語のルールです。 「I am〜」や「I like〜」などで頻出します。

She knows me.(彼女は私を知っている)

主語 She(彼女)は主格。動詞 knows の目的語には 目的格 me(私を) を使います。名前の代わりに代名詞を使うことで繰り返しを避けられます。

He helps us.(彼は私たちを助ける)

He(彼)は主語、us(私たちを)は目的語です。us は we(私たち) の目的格で、目的格は主語では使えないので注意しましょう。

They are students.(彼らは学生です)

They は三人称複数の主語として、非常に頻繁に使われる単語です。are は be動詞の複数形に対応しています。

Can you see him?(あなたは彼が見えますか?)

疑問文でも語順はそのままで、主語 you(あなた)→ 動詞 see → 目的語 him(彼を)となります。him は he(彼) の目的格です。

文法のポイント解説

主格:文の主語になる形

文の中で 「〜が〜する」 の「〜が」の部分にくるのが「主格」です。

英語では、主語が必ず必要なので、主格の代名詞は会話・文章の冒頭によく出てきます。

  • I am happy.(私は幸せです)
  • He goes to school.(彼は学校に行きます)

主格は名前の代わりになる語として使われることが多く、動詞の前に置かれるのが基本です。

目的格:動詞や前置詞の後ろにくる形

目的格は、動詞や前置詞の後にくる 「〜を」「〜に」 の意味をもつ語です。

動詞の対象や、動作を受ける人・物を表します。

  • he loves him.(彼女は彼を愛している)
  • Can you help me?(私を助けてくれますか?)
  • Give it to us.(それを私たちにください)
目的格のポイント

目的語=文の中で“される側”というイメージを持ちましょう。

you の特別な特徴:単数でも複数でも同じ形

英語では、you は単数形と複数形のどちらにも使えるため、文脈で判断する必要があります。

  • You are my friend.(あなたは私の友達)← 単数
  • You are my students.(あなたたちは私の生徒)← 複数

例文のように動詞の形(are)は変わらないため、「students」 のように補語を複数形で表記するなど、主語の you の人数は補足情報で伝えるのが一般的です。

it の使い方:人以外や天候・時間

物・動物・状況・天気などに対して「それ」という意味で使うのが it です。

  • It is sunny today.(今日は晴れている)
  • I like this book. I read it every night.(この本が好き。毎晩それを読む)

日本語では主語を省略することが多いですが、英語では必ず主語が必要。そのときに「it」がよく使われます。

まとめ

  • 人称代名詞は名前の代わりに使う語で、主格(主語用)と目的格(目的語用)に分かれる。
  • 主語には「I, you, he, she, we, they」、目的語には「me, you, him, her, us, them」などを使う。
  • you は単数にも複数にも使える。it は物や状況に使う。
  • 英語では主語が必須なので、文頭にくる代名詞(主格)は特に重要。
  • 動詞や前置詞の後にくる代名詞には、目的格を使う。
  • 「私を=me」「彼女に=her」など、日本語の「〜を」「〜に」に対応させて覚えるとわかりやすい。

記事URLをコピーしました