英語の疑問文には、単に情報を尋ねるだけでなく、相手に確認したり、驚きを込めたりするための形があります。それが否定疑問文です。
否定疑問文は「〜ではないのですか?」「〜じゃないの?」といった表現で、会話のニュアンスを豊かにする重要な文型です。
今回は、否定疑問文の作り方と使い方を具体的に解説していきます。
1. 否定疑問文の作り方
否定疑問文は、普通の疑問文に not を加えて作ります。形には大きく分けて2種類あります。
- 短縮形を使う形(カジュアルで会話的)
例)Don’t you like coffee?(コーヒーが好きじゃないの?) - not を残す形(フォーマルで丁寧)
例)Do you not like coffee?(コーヒーはお好きではないのですか?)
短縮形は日常会話で自然に使われる形です。一方、not を残す形はフォーマルな場面や丁寧なニュアンスを出したいときに使われます。
2. 否定疑問文の主な使い方
2-1. 驚きや確認を表す
「そうだと思っていたのに、違うの?」というニュアンスを伝えるときに使います。
- Didn’t you go to the party yesterday?
(昨日パーティーに行かなかったの?)
→ 行ったと思っていたのに - Isn’t she your teacher?
(彼女はあなたの先生じゃないの?)
→ そうだと思っていたのに
単なる「事実を尋ねる疑問文」とは違い、話し手の驚きや予想が込められているのが特徴です。
2-2. 勧誘や提案をやわらかくする
否定疑問文を使うと、勧誘や提案がより丁寧でやわらかい響きになります。
- Won’t you join us for dinner?
(一緒に夕食に来ませんか?) - Wouldn’t you like another cup of tea?
(もう一杯お茶はいかがですか?)
普通に “Will you join us?” と聞くよりも控えめで礼儀正しい響きになります。
2-3. 相手に念を押す
「そうだよね?」と同意を確認したいときにも使えます。
- Don’t you agree with me?
(私に賛成してくれますよね?) - Isn’t it a bit too expensive?
(ちょっと高すぎじゃないですか?)
自分の意見を前提にして確認するときに便利です。
3. 答え方の注意点
否定疑問文のややこしい点は、Yes / No の答え方です。日本語の感覚で答えると誤解を生みやすいので注意が必要です。
- Don’t you like pizza?(ピザが好きじゃないの?)
→ Yes, I do.(はい、好きです)
→ No, I don’t.(いいえ、好きではありません)
日本語の「はい/いいえ」と対応が違って感じられることがあります。日本語の場合、「ピザが好きじゃないの?」と聞かれたら、次のように答えるのが自然ですよね。
- 「はい、そうです」=「ピザは好きじゃない」
- 「いいえ、違います」=「ピザは好き」
つまり、日本語では「質問の否定部分」に同意するかどうかで Yes / No が決まります。
一方で英語ではYes / No はあくまで事実に対する返答になります。
- Yes = 「実際にはピザは好き」
- No = 「実際にはピザは好きではない」
つまり、「Yes = (好きという事実の)肯定」「No = 否定」という原則を意識すると混乱しにくくなります。
4. まとめ
- 否定疑問文は「〜ではないの?」と尋ねる文。
- 短縮形はカジュアル、not を残す形はフォーマル。
- 主な使い方は3つ:
1. 驚きや確認を表す(Didn’t you…? / Isn’t she…?)
2. 勧誘や提案をやわらかくする(Won’t you…? / Wouldn’t you…?)
3. 相手に念を押す(Don’t you agree…?) - 英語の場合、Yes / No は事実に対する返答であることを忘れない。
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