【英文法#16】命令文の作り方

英語では、「〜してください」「〜しないで」といった指示やお願いを伝えるときに命令文を使います。
命令文は、文のトーンによっては丁寧に言ったり、強く注意を促したりすることもできます。また、否定形や「Let’s〜」を使った提案の形もあり、さまざまな場面で活躍する表現です。
このレッスンでは、肯定・否定・丁寧・提案の4パターンを通して、命令文の仕組みを解説します。
1. 命令文の構造と基本ルール
命令文は、相手に何かをしてもらいたいときや、禁止したいときに使う文型で、日常会話・案内文・標識などでも頻繁に登場します。
命令文の構造として、主語(you)を省略し、動詞の原形から始めることで作れます。
基本的な命令文のパターンは以下の通りです:
文の種類 | 構文 | 説明 |
---|---|---|
肯定命令文 | 動詞の原形 〜 | 「〜してください」など、行動を促す表現 |
否定命令文 | Don’t + 動詞の原形 | 「〜しないでください」と禁止を示す命令 |
丁寧命令文 | Please + 命令文 | 命令文に「please」を加えて丁寧な依頼表現にする |
提案文 | Let’s + 動詞の原形 | 「〜しましょう」と、相手に一緒に行動する提案を示す |
2. 肯定命令文:「動詞の原形」で始まる
命令文の基本は、動詞の原形を文の冒頭に置くことです。
通常、主語「you」は書かれませんが、意味としては「あなたが〜しなさい」という指示になります。
- Wait here.(ここで待ってて)
- Check your email.(メールを確認して)
- Wash your hands before dinner.(夕食の前に手を洗いましょう)
→ 指示+時間の情報を加えることで、より自然な表現になります。
注意点として、命令が強く聞こえるため、口調や状況に配慮する必要があります。
3. 否定命令文:「Don’t + 動詞の原形」
「〜しないでください」と伝えたいときは、Don’t(= Do not)+ 動詞の原形で表します。
この構文も主語は省略され、相手に「〜するな」と制止する意味になります。
- Don’t talk during the movie.(映画の間に話さないで)
- Don’t forget your passport.(パスポートを忘れないで)
- Don’t be rude.(失礼なことをしないで)
→ 「be + 形容詞」で性質・状態を指示する場合も「Don’t be」で否定命令に。
肯定命令文と同様、こちらも命令口調になるため、トーンや表情で柔らかさを補うと印象がよくなります。
また、「Don’t ever ~」で「絶対に〜しないで」という強い否定表現もあります。
4. 丁寧な命令文:「please」の使い方
「please」を命令文の前または後ろに添えると、相手に配慮した依頼の表現になります。
- Please wait here.(ここでお待ちください)
- Take off your shoes, please.(靴を脱いでください)
please なしの命令文は命令口調に聞こえるため、初学者は please をセットで覚えるのがおすすめです。
5. Let’s で始める命令文:提案型の表現
「Let’s(Let us)」は、話し手が相手を誘う形の命令文で、「〜しよう」と訳されます。
普通の命令文とは異なり、相手との協調的な行動を提案する形なので、強制力がなく、親しみのある響きになります。
- Let’s start the meeting.(会議を始めましょう)
- Let’s go hiking this weekend.(今週末ハイキングに行こう)
- Let’s not waste time.(時間を無駄にしないようにしよう)
→ 「Let’s not + 動詞の原形」で提案の否定も可能。
6. 命令文に「you」を入れる特別なパターン
英語では通常、命令文に主語(you)は入れませんが、強調したいとき、または感情を込めたいときには主語を明示することがあります。
- You sit down right now!(あなた、今すぐ座りなさい!)
→ 怒りや緊急性を強調。 - Somebody help me!(誰か助けて!)
→ 主語を入れて緊急性を表現。日常の緊急場面でよく使われます。
7. まとめ
- 命令文は、動詞の原形を文頭に置くことで作る。主語(you)は省略される。
- 否定の命令文では「Don’t + 動詞の原形」を使う。be動詞も同様に「Don’t be ~」。
- 「please」をつけると丁寧な依頼表現になり、文頭・文末のどちらでも使える。
- 「Let’s + 動詞の原形」は「一緒に〜しよう」という提案型の命令文。
- 特別な場面では「you」などの主語を明示することもある(強調・感情表現など)。