英語では、動詞のあとに別の動詞を続ける場面がよくあります。このとき、続く動詞には「動名詞(〜ing)」か「to 不定詞(to+動詞の原形)」の2種類の形式があります。
このレッスンでは、動名詞と to 不定詞の違いと使い方について、文法的な特徴、意味の違い、代表的な使い方などを解説します。
1. 動名詞と to 不定詞の違い
1-1. 動名詞:すでに行っていること/一般的なこと
動名詞とは、動詞に「〜ing」をつけた形で、文の中で名詞のように働く表現です。
- Swimming is fun.(泳ぐことは楽しい)
- I enjoy cooking.(私は料理するのが好きです)
意味としては「〜すること」や「〜していること」を表し、すでに経験していることや、一般的な動作に使われることが多いです。
1-2. to 不定詞:これからすること/意志・目的
to 不定詞は、「to+動詞の原形」で構成される表現で、こちらも名詞のように働きます。
- I want to swim.(私は泳ぎたい)
- He decided to go abroad.(彼は海外に行くことを決めた)
意味としては「〜すること」ですが、これから行うことや目的・意志・願望など未来的なニュアンスを含みます。
2. 動名詞が使われる動詞
動名詞は、ある特定の動詞のあとに使われます。特に、感情・習慣・経験などに関係する動詞のあとに用いられることが多いです。
主な動詞例
- enjoy(楽しむ)
- finish(終える)
- avoid(避ける)
- mind(気にする)
- suggest(提案する)
- practice(練習する)
例文
- She enjoys singing.(彼女は歌うのが好きです)
- We finished cleaning the room.(私たちは部屋の掃除を終えた)
- He avoided meeting her.(彼は彼女に会うのを避けた)
動名詞は「行為を名詞化したもの」と考えましょう。たとえば cooking は「料理すること(行為)」、readingは「読むこと(習慣や趣味)」を表します。
3. to 不定詞が使われる動詞
to 不定詞は、「未来に行うこと」「意志」「希望」「目的」などを表す動詞のあとでよく使われます。
主な動詞例
- want(〜したい)
- decide(決める)
- hope(望む)
- plan(計画する)
- learn(学ぶ)
- promise(約束する)
例文
- I want to travel abroad.(私は海外旅行をしたい)
- They decided to move.(彼らは引っ越すことに決めた)
- She hopes to become a nurse.(彼女は看護師になりたいと願っている)
to 不定詞は、未来への意思や目標を表す矢印のようなイメージを持つと覚えやすくなります。
4. 両方使える動詞と意味の違い
中には、「動名詞」と「to 不定詞」のどちらも使える代わりに、両者で意味が変わるという動詞も存在します。ここでは代表的なものを見てみましょう。
remember:覚えている(動名詞)/忘れずに〜する(to不定詞)
- I remember meeting him last year.
(去年彼に会ったことを覚えている)→ 過去の記憶 - Remember to call him.
(彼に電話するのを忘れないで)→ これからの行動
stop:〜をやめる(動名詞)/〜するために止まる(to不定詞)
- She stopped smoking.
(タバコを吸うのをやめた)→ 行為の中止 - She stopped to smoke.
(タバコを吸うために立ち止まった)→ 目的
forget:したことを忘れる(動名詞)/これからのことを忘れる(to不定詞)
- I’ll never forget meeting you.
(あなたに会ったことは決して忘れません)→ 実際に起こった過去の経験 - Don’t forget to call her.
(彼女に電話するのを忘れないで) → これからするべきこと・予定
このように、使い分けを間違えるとまったく違う意味になってしまうので注意が必要です。
5. まとめ
- 動名詞(〜ing) は「行っていること/一般的な行為」を表し、enjoy, finish, suggest などのあとに使う。
- to 不定詞(to + 動詞) は「これから行うこと/意志・希望・目的」を表し、want, decide, hope などのあとに使う。
- 一部の動詞(stop, remember, try など)は両方使えるが意味が異なるため、文脈で判断する。
- 「動名詞」と「to 不定詞」はどちらも名詞的に使われるが、表す意味や動詞との相性に注意して使い分けることが大切。
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