形式目的語 it の使い方|文法の基本ルールと例文解説

英語では、動詞の目的語が長く複雑になるときに、そのまま置くと文が読みづらくなることがあります。そのような場合に使われるのが形式目的語です。
形式目的語では、初めに it を目的語の位置に置き、本来の目的語は文の後ろに持っていきます。こうすることで文のバランスがよくなり、自然でわかりやすい表現になります。
今回は英語の形式目的語について、詳しい構造や使い方などを解説していきます。
1. 形式目的語の基本ルール
形式目的語とは、it を仮の目的語として置き、本来の目的語を後ろに回す表現のことです。
英文では長い目的語をそのまま前に置くと、文が読みにくくなってしまいます。そこで形式目的語を使うことで文全体のリズムが整い、簡潔な文章になります。
例文で確認してみましょう。
- I found to answer the question difficult.
(私はその質問に答えることを難しいと感じた)
この文は文法的には正しいですが、目的語である “to answer the question” が長すぎて、冗長な印象を与えます。
そこで次のように形式目的語を使います。
- I found it difficult to answer the question.
この文では、動詞 found の直後に「it」を仮に置き、本来の目的語 “to answer the question” を文の最後に移動しています。これが形式目的語の基本的な仕組みです。
2. 形式目的語を使った具体例
形式主語の基本形は、「主語 + 動詞 + it + to不定詞 / that節 / -ing句 〜」です。
形式目的語 it の後ろには、さまざまな形の目的語を置くことができます。代表的なのは to不定詞 / that節 / -ing句です。
2-1. to不定詞を置く場合
- She made it clear to everyone to follow the rules.
(規則に従うことを、彼女は全員に明らかにした) - We thought it strange to see him there.
(彼にそこに会うのは奇妙だと思った)
ポイントは「it + 形容詞 + to不定詞」の形にすることです。この型が基本形となります。
2-2. that節を置く場合
- I think it important that you attend the meeting.
(あなたが会議に出席することは重要だと思う) - She felt it necessary that he should know the truth.
(彼が真実を知ることは必要だと彼女は感じた)
「it + 形容詞 + that節」の形もよく使われる形式で、特にフォーマルな文で見られます。
2-3. -ing句を置く場合
- He found it exciting meeting new people.
(新しい人に会うのは刺激的だと彼は感じた) - I think it worth trying again.
(もう一度挑戦する価値があると思う)
このように動名詞を目的語にする場合もありますが、頻度は低めです。
3. よく使われる動詞パターン
形式目的語と一緒に使われる動詞や表現はある程度決まっています。
- find it + 形容詞 + to〜 / that〜
(〜するのは…だとわかる) - make it + 形容詞 + to〜
(〜するのを…にする) - think it + 形容詞 + to〜 / that〜
(〜するのは…だと思う) - consider it + 形容詞 + to〜 / that〜
(〜するのは…だと考える)
これらの表現を暗記しておくと、英文を作るときに自然に形式目的語を使えるようになります。
4. まとめ
- 形式目的語とは、目的語が長くなるとき、いったん「it」を置き、本来の目的語を文末に移す表現。
- 形式目的語を使うと、文がすっきりして自然な英文になる。
- 基本パターン:
1. 主語 + 動詞 + it + 形容詞 + to不定詞
2. 主語 + 動詞 + it + 形容詞 + that節
3. 主語 + 動詞 + it + 形容詞 + -ing句 - よく使われる動詞:find, make, think, consider など。
