【英文法#10】指示代名詞の使い方

英語で「これ」「あれ」「これら」「あれら」といった言葉を使うとき、欠かせないのが指示代名詞です。
指示代名詞は、話し手との距離(近いか遠いか)と数(単数か複数か)で使い分けが必要です。
このレッスンでは、指示代名詞の基本ルール、使い方のパターン、そして間違えやすいポイントを例文とともに詳しく解説します。
1. 指示代名詞とは?
1-1. 指示代名詞の基本
指示代名詞は、話し手が示したい物や人を、距離や数に応じて正しく表現するために使われます。
英語の指示代名詞には this, that, these, those の4種類があります。
これらは、話し手からの距離、指す対象が単数か複数かによって使い分けます。
距離 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
近い | this | these |
遠い | that | those |
1-2. 距離による区別
this / these
話し手のすぐ近くにあるものや、話し手自身の身近な話題を指します。実際に目の前にあったり、手に持っていたりするものに使うことが多いです。
that / those
話し手から離れているものや、相手側に近いものを指します。空間的にも心理的にも距離があるときに使います。
1-3. 数による区別
this / that
this / that は単数形で、指す対象が1つの場合に使います。
these / those
these / those は複数形で、対象が2つ以上のときに使います。
1-4. 文中での使い方
指示代名詞は 主語・補語・目的語などの名詞の代わりに使う場合(代名詞的用法)と、名詞を修飾して形容詞のように使う場合(形容詞的用法)の両方があります。
- This is my bag.(これは私のかばんです)← 代名詞的用法
- I like this bag.(このかばんが好きです)← 形容詞的用法
2. 指示代名詞のポイント解説
2-1. this / these:話し手に近い物・今話していること
this / these は、話し手が物理的に近いものを示すほか、会話の中で自分が話題にしていること、目の前で起きている出来事などにも使われます。
- This chair is comfortable.(この椅子は座り心地がいい)
← 実際に座っている椅子 - Listen to this story.(この話を聞いて)
← 今から話す内容
2-2. that / those:離れた物・相手に近い物・過去の話題
that / those は、空間的に離れているもの、相手側にあるもの、または少し前に話したことを指すときに使います。
- That car is expensive.(あの車は高い)
→ 遠くにある車を指す - I remember that day.(あの日を覚えている)
→ 過去の出来事を指す - Those cookies look delicious.(あのクッキー、おいしそう)
→ 相手側のテーブルに置かれているクッキー
2-3. 単独で使うとき/名詞を修飾するとき
指示代名詞は名詞の代わりに主語や目的語になる(代名詞的用法)こともあれば、名詞の前に置いて修飾語(形容詞的用法) として使うこともあります。
- This is amazing.(これはすばらしい)
- This movie is amazing.(この映画はすばらしい)
後ろに名詞があるかどうかで使い分けることができます。
2-4. 会話でのニュアンス
会話では、this / these は話題の中心や、話し手の「今」「ここ」にあるものを示す感覚で使われることが多いです。
一方、that / those は、少し距離感がある、または「相手側に属するもの」を話すときに使うことが多いです。
- This coffee is great.(このコーヒー、おいしい)
← 「This」で自分側にあるコーヒーを強調 - That coffee looks good.(あのコーヒー、おいしそう)
← 「That」で向こう側(相手側)にあるコーヒーを強調
3. まとめ
- 指示代名詞は 数(単数/複数) と 距離(近い/遠い) によって this, that, these, those を使い分ける。
- this / these は近いもの、that / those は遠いものを示す。
- 名詞の代わりに単独で使うことも、名詞を修飾する形容詞的用法でも使える。
- 動詞の形(is / are)にも注意し、単数・複数をしっかり区別する。
- 会話では、話し手が「ここ」「今」感じている近いものに this / these を使い、離れたものには that / those を使う。