強調構文の使い方|「It is ~ that …」で特定部分を強調する表現

英語では、文の中で「誰が」「何を」「いつ」「どこで」などの要素を特に目立たせたいことがあります。そのときに使える便利な文型が、強調構文です。
強調構文の代表的な形は「It is ~ that …」で、「~なのは … だ」という意味を表します。
今回は英語の強調構文について、文法的なポイントから具体的な使い方まで解説していきます。
1. 強調構文の基本ルール
強調構文の形はシンプルで、「It is + 強調したい部分 + that + 残りの文」のように表します。
強調構文を使うことで、同じ事実でも「どこに焦点を置くか」をはっきり示すことができ、話し手の意図を強く伝えることができます。
次に、例文を通して確認してみましょう。
- It is John that broke the window.
(窓を割ったのはジョンだ)
通常の文は “John broke the window.” ですが、強調構文にすると「窓を割ったのは誰なのか」という点が際立ちます。
このように、文全体の意味は変わらなくても、聞き手の注意を向けたい部分を目立たせることができるのが強調構文の利点です。
2. 強調できる要素と具体例
「It is + 強調したい部分 + that」の「強調したい部分」に何を置くかによって、文の中で焦点を当てたい要素を変えることができます。
2-1. 主語を強調する
“It is 〜”の後に主語を置くことで、誰がその行動をしたのかを強調できます。
- It is my brother that helped me.
(私を助けてくれたのは私の兄だ)
「助けたのは兄であって、他の誰でもない」と、強調構文によって表現が明確になります。
2-2. 目的語を強調する
「何を」「誰を」などの目的語に焦点を当てたいときに使います。
- It is English that I want to study.
(私が勉強したいのは英語だ) - It was Mary that I saw at the station.
(私が駅で見かけたのはメアリーだった)
目的語を強調すると、「選択肢の中でそれだ」というニュアンスが強まります。
2-3. 時間を強調する
「いつ」の部分をはっきり示します。
- It was yesterday that we met for the first time.
(私たちが初めて会ったのは昨日だった) - It is in the morning that I usually study.
(私が普段勉強するのは朝だ)
「昨日だった」「朝だ」と、タイミングを強調しているのがわかります。
2-4. 場所を強調する
場所を示す単語を置くことで、「どこで」の部分をはっきりさせます。
- It was in Paris that they got married.
(彼らが結婚したのはパリだった) - It is at this café that I often work.
(私がよく作業するのはこのカフェだ)
同じ出来事でも、「場所」に焦点を当てることでニュアンスが強まります。
3. 強調構文と普通の文の違い
同じ事実を表していても、強調構文にすることでニュアンスが変わります。
- 平叙文:
We met for the first time yesterday.
(私たちは昨日初めて会った) - 強調構文:
It was yesterday that we met for the first time.
(私たちが初めて会ったのは昨日だった)
前者は事実を淡々と述べているだけですが、後者の強調構文では「昨日」という要素に特に力点が置かれています。
4. まとめ
- 強調構文は「It is ~ that …」の形で「~なのは … だ」と表す。
- 主語・目的語・時間・場所などを強調できる。
- 強調構文を使うと、同じ事実でも「どこに焦点を置くか」がはっきり伝わる。