同格のthat|名詞の内容を説明する構文の使い方

英語では、ある名詞の具体的な内容を説明したいときに、同格の that が使われます。
that 以下の文が直前の名詞の内容を説明する構文で、前に置かれた名詞とイコールの関係にあるのが特徴です。
今回は、この同格の that の基本的な使い方を例文を通して解説します。
1. 同格の that とは?
同格の that は、名詞のあとに置いて「その名詞の内容は〜だ」と説明します。文全体を名詞と結びつけるため、文章がより明確になります。
- The fact that he passed the exam surprised everyone.
 (彼が試験に合格したという事実は、みんなを驚かせた)
この文では “the fact” と “he passed the exam” が同じ内容を表しています。
つまり、「その事実 = 彼が試験に合格したこと」という関係になっています。
2. 「名詞 + that」の組み合わせ
同格の that は、特定の名詞とよく一緒に使われます。代表的なものは以下のとおりです。
- the fact that 〜(〜という事実)
- the idea that 〜(〜という考え)
- the news that 〜(〜という知らせ)
- the possibility that 〜(〜という可能性)
- the rumor that 〜(〜といううわさ)
- the hope that 〜(〜という希望)
3. 関係代名詞の that との違い
同格の that とよく混同されるのが、関係代名詞の that です。
両者とも同じ「that」ですが、文の中で果たす役割が大きく異なります。
3-1. 同格の that
同格の that は、前にある名詞の「内容」を説明します。名詞と that 節が「=」の関係にあるのがポイントです。
- The fact that he is sick is true.
 (彼が病気であるという事実は本当だ)
上記の例文では、「事実(the fact)=彼が病気であること(he is sick)」という構造になっています。
3-2. 関係代名詞の that
一方で関係代名詞の that は、前にある名詞を「修飾」するはたらきを持ちます。
名詞と that 節は部分的な関係で、同格の that のように「=」の関係ではありません。
- The book that he is reading is interesting.
 (彼が読んでいる本は面白い)
“that he is reading” が名詞 “the book” を修飾して、「どんな本か」を説明していています。
つまり「その本=彼が読んでいるもの」ではなく、数ある本の中で「彼が読んでいる本は〜」と限定する意味合いとなっています。
4. 同格の that の使い方を深める
4-1. 抽象的な名詞を具体化する
同格の that は、抽象的な名詞を具体的に説明するときに特に有効です。
- The belief that hard work pays off motivates people.
 (努力は報われるという信念が、人々を励ます)
- The evidence that he was at the scene is clear.
 (彼が現場にいたという証拠は明らかだ)
4-2. 書き言葉で多用される
日常会話ではあまり頻繁には使われませんが、エッセイや論文、ニュース記事などの書き言葉でよく使われます。
- The conclusion that the Earth is warming is undeniable.
 (地球が温暖化しているという結論は否定できない)
5. まとめ
- 同格の that は「名詞の内容を説明する節」を導く。
- 日本語にすると「〜ということ」となる。
- よく使う名詞:fact, idea, news, possibility, rumor, hope, belief, evidence など。
- 関係代名詞の that とは違い、名詞を修飾するのではなく「名詞=that 節の内容」という関係になる。





