英語を学習していると、「形容詞」と「副詞」を混同してしまうことがよくあります。
どちらも「修飾する」という点では似ていますが、修飾する対象や役割がはっきりと異なります。
今回は、形容詞と副詞の違いを整理しながら、正しく使い分けるためのポイントを解説します。
1. 形容詞とは?
形容詞は、名詞を修飾して「どんな人か」「どんな物か」を説明する役割を持ちます。
例えば、次の文を見てください。
- He is a good student.(彼は良い生徒だ)
この文では student(生徒)という名詞を、good が修飾しています。形容詞は名詞とセットで使われ、名詞をより具体的に説明します。
また、形容詞は be動詞の後ろで「補語」としても使われます。
この場合、kind は「彼女がどんな人か」を表しており、主語を説明しています。
2. 副詞とは?
副詞は動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾します。
つまり「どのように」「どれくらい」「いつ」「どこで」など、動作や状態の様子を詳しく説明するのが副詞の役割です。
- He studies well.(彼はよく勉強する)
→ studies(勉強する)という動詞を副詞 well が修飾しています。 - She is very kind.(彼女はとても親切だ)
→ kind(形容詞)を very が強めています。 - Fortunately, we arrived on time.
(幸運にも、私たちは時間通りに到着した)
→ この場合、副詞 fortunately は文全体を修飾しています。
このように、副詞は使いどころが広く、文章にニュアンスや具体性を加える働きをします。
3. 形容詞と副詞を見分けるコツ
学習者がつまずきやすいのは、「形容詞と副詞のどちらを使うか」という判断です。そこでおすすめなのが、「修飾する対象に注目する」方法です。
- 名詞を修飾する → 形容詞
- 動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾する → 副詞
例文でも確認してみましょう。
- She is a beautiful singer.(彼女は美しい歌手だ)
→ beautiful は singerという名詞を説明 → 形容詞 - She sings beautifully.(彼女は美しく歌う)
→ beautifully は動詞 sings を修飾 → 副詞
このように、「誰・何を修飾しているか?」を意識することが大切です。
4. 形容詞と副詞の作り方
多くの場合、形容詞の語末に 「-ly」 をつけると副詞になります。
- quick → quickly
- careful → carefully
- beautiful → beautifully
しかし、すべてがこのルールに従うわけではありません。以下のようなケースは例外となります。
- good(形容詞) → well(副詞)
- fast(形容詞・副詞どちらも同じ形)
- hard(形容詞「難しい」/副詞「一生懸命に」)
5. 位置の違い
形容詞と副詞は文の中で置かれる位置も違います。
形容詞は名詞の前、あるいは be動詞の後に置かれます。
- his is an interesting book.(これは面白い本だ)
- She looks happy.(彼女は嬉しそうだ)
一方、副詞は動詞の直後や文末に置かれることが多いです。
- This car runs fast.(この車は速く走る)
- He speaks English fluently.(彼は英語を流暢に話す)
6. まとめ
- 形容詞は名詞を修飾し、「どんな人・ものか」を説明する。
- 副詞は動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾し、「どのように」「どれくらい」「いつ」「どこで」を説明する。
- 形容詞に -ly をつけて副詞にできるが、例外もある(good → well, fast → fast など)。
- 形容詞は名詞の前または be動詞の後、副詞は動詞の後や文末に置かれることが多い。
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