初級文法

Lesson 08|冠詞の使い方

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青葉

英語では、名詞の前に「a / an / the」のような語をつけるのが基本です。

これは冠詞と呼ばれ、名詞が「どんな種類のものか」「話し手と聞き手にとって特定できるかどうか」を示します。

「いつ・なぜ a なのか」「the を使うと何が変わるのか」といった感覚を身につければ、より自然で正確な英語表現ができるようになります。

このレッスンでは、英語の名詞表現を正しく使いこなせるよう、冠詞の使い分け方とルールの基本を解説します。

冠詞の種類と基本ルール

冠詞の3つのタイプ

英語の冠詞は、大きく以下の3つに分けられます。

種類用途
不定冠詞a / an「ある〜」「1つの〜」:初めて登場する名詞・特定でない物事に使う
定冠詞the「その〜」「例の〜」:すでに知っているもの・文脈で特定される物事に使う
無冠詞不可算名詞や複数形の名詞で「一般的なもの」を表すときなどに使う

不定冠詞 a / an の違い

  • a:次の語が子音の音で始まるとき(例:a book, a dog)
  • an:次の語が母音の音で始まるとき(例:an apple, an umbrella)
重要なのは「つづり」ではなく「音」

不定冠詞 an を選ぶ際は、「母音で始まる単語」ではなく、「母音の音で始まる単語」が基準となります。

  • an hour:「h」を発音しない → 母音の音
  • a university:先頭の「u」は子音の音(yu)で始まる

例文と解説

I saw a dog.(私は犬を見た)

dog(犬)は数えられる名詞で、話し手がどの犬か特定していないため不定冠詞「a」を使用。
初めて話題にするものには a / an を使うのが基本です。

She ate an orange.(彼女はオレンジを食べた)

orange は母音の音で始まるため、「an」を使用。食べたオレンジは特定されていない(どのオレンジでもない)ため、不定冠詞を使います。

The dog is cute.(その犬はかわいい)

「その犬〜」と、一度登場した「犬」が再び登場しています。聞き手にもわかるものになっているため 「the」 を使います。

I like coffee.(私はコーヒーが好き)

coffee は不可算名詞(液体・概念など)なので冠詞をつけません。一般的な好み・性質を表すときには無冠詞が自然です。

Books are useful.(本は役に立つ)

books は複数形で、ここでは「一般的な本全体」を指すので冠詞をつけません。複数形かつ一般的な意味を持つ単語は無冠詞になるのが基本です。

文法のポイント解説

不定冠詞 a / an:はじめて言及する、ある1つのもの

a / an は、「どれでもいい1つのもの」や「はじめて登場するもの」に使います。

名詞の前につけて、「1つの〜」「ある〜」という意味を加えます。

  • I saw a bird.(鳥を見た)
    → どんな鳥かはまだ知られていない
  • She bought an umbrella.(彼女は傘を買った)
    → 初めてその傘について話している

また、職業を表す名詞にもよく使われます:

  • He is a teacher.(彼は教師です)
  • She wants to be an artist.(彼女は芸術家になりたい)

定冠詞 the:みんなが知っている、または2回目以降に登場する

定冠詞 the は、話し手と聞き手が「どれのことか分かっているとき」に使います。

  • I saw a dog. The dog was barking.(私は犬を見た。その犬は吠えていた)
    → 最初は「a dog(どの犬か不明)」→ 次は「the dog(その犬)」に。
  • Can you pass me the salt?(その塩を渡してもらえますか?)
    → 食卓の上にある「その塩」が前提として共通認識にある。
定冠詞のポイント

定冠詞を使うことで、「共通の認識」や「特定性」を強調することができます。

無冠詞:不可算名詞など

以下のケースでは冠詞を使わず、そのまま名詞を置きます。

不可算名詞(物質・抽象名詞)

不可算名詞とは、数えられない物質や概念のことを指します。

例えば、water(水), music(音楽), air(空気), advice(助言)が不可算名詞に該当します。

  • I need water.(私は水が欲しい)
  • He gave me advice.(彼は私にアドバイスをくれた)
不可算名詞の「数え方」

不可算名詞を数えたいときは、「a piece of advice」, 「a glass of water」 のように単位を示す語を使います。

複数形で一般的なことを表すとき

複数形の名詞で「〜全体」「〜というもの一般」を指すときも、冠詞はつけません。

  • Dogs are friendly.(犬は人懐っこい)
    Dogsは、「犬」という種全体を指している
  • Books can change your life.(本は人生を変える力がある)
    Booksは、「一般的に本と呼ばれているものは〜」という意味合いを持つ

また、特定の犬や本について言いたいときは the dogs / the books を使います。

固有の表現(曜日・言語・スポーツ・食事など)

日常的な名詞の中でも、特定のグループには慣習的に冠詞をつけないというルールがあります。

  • 曜日(例:on Monday)
  • 言語(例:I study English)
  • スポーツ(例:I play soccer)
  • 食事(例:I have lunch)

まとめ

  • a / an は「初めて登場する・不特定の物」につける不定冠詞
  • the は「すでに登場したもの」や「文脈で特定できるもの」につける定冠詞
  • 冠詞なし(無冠詞)になるのは、不可算名詞・複数形・一般的な話題の場合
  • 判断のコツは「聞き手にとってその名詞が特定できるかどうか」
  • 発音が「母音の音」か「子音の音」かで a / an を決める(綴りではない)

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