Lesson 07|所有格の使い方

「私の本」「彼の名前」のように「誰のものか」を表すときには、英語では所有格を使います。
これは日本語でいう「〜の」にあたる表現で、名詞の前に置いて所有関係を示す語です。
このレッスンでは、所有格の形・使い方・文の中での働きや注意点を詳しく学び、会話や文章で所有格を自然に表現する力を身につけます。
所有格の種類と基本ルール
所有格とは?
所有格とは、「その名詞が誰のものか」を表す語で、名詞の前に置かれる形容詞の一種です。
日本語では「私の・あなたの・彼の・彼女の」などに相当します。
英語では人称代名詞に応じて形が決まっており、単数・複数、性別により所有格は異なります。
所有格一覧
人称 | 所有格 | 対応する人称代名詞 | 日本語訳 | 補足 |
---|---|---|---|---|
一人称単数 | my | I | 私の | 主語が I のときに使う |
二人称単数 | your | you | あなたの | 単数・複数どちらでも使える |
三人称単数(男性) | his | he | 彼の | 性別が男性の人物について |
三人称単数(女性) | her | she | 彼女の | 性別が女性の人物について |
三人称単数(物・動物) | its | it | それの | 物・動物・無生物が主語のとき |
一人称複数 | our | we | 私たちの | 主語が we のとき |
二人称複数 | your | you | あなたたちの | 単数と同じ形 |
三人称複数 | their | they | 彼ら/それらの | 複数の人・物について使う |
例文と解説
This is my pen.(これは私のペンです)
「my」は所有格で、「私の」という意味を表します。pen の前に置かれ、「誰のペンか」を説明します。所有格は必ず名詞とセットで使いましょう。
Her name is Lisa.(彼女の名前はリサです)
「her」は「she」の所有格で、「彼女の」という意味。名詞 name を修飾して「彼女の名前」という語句を作ります。
Is this your bag?(これはあなたのかばんですか)
疑問文でも「所有格 + 名詞」という語順は変わらず、「your」は名詞 bag の前に置かれます。「your」は単数・複数どちらの「you」にも対応します。
Their house is big.(彼らの家は大きい)
「their」は三人称複数「they」の所有格で、複数の人の所有を表します。名詞 house の前に置いて所有関係を示しています。
The dog is licking its paw.(犬が自分の足をなめている)
「its」は「it」の所有格で、物や動物が主語のときに使います。paw(足)が dog(犬)に属するものであることを示している。
文法のポイント解説
所有格は形容詞と同じ働きをする
所有格は「私の〜」「あなたの〜」というように、名詞の前に置いて、名詞を修飾する形容詞のような役割を果たします。
- my bag(「私の」という情報を加える)
- her idea(「彼女の」という意味を加える)
形容詞と同じように、名詞の前に置いて意味を具体的にするのが特徴です。
所有格は誰のものかを明確にする
英語は語順が厳格なので、名詞の前に所有格を置くことで、その名詞の持ち主や関係性をはっきり伝える必要があります。
- This is my pen.(これは私のペンです)
- Their dog is very cute.(彼らの犬はとてもかわいい)
- Our teacher is kind.(私たちの先生は優しい)
所有格を正しく使うことで、人間関係や所属について正確に伝えられます。
所有格と所有代名詞の違い
所有格
所有格は、名詞の前に置いて「〜の〇〇」と所有関係を表す語です。
名詞を修飾する形容詞のような働きをするのが特徴です。
- This is my pen.(これは私のペンです)
- Her bike is new.(彼女の自転車は新しい)
いずれも、所有格 + 名詞の組み合わせで「誰の何か」を表現します。
所有代名詞
所有代名詞は、「〜のもの」と、名詞を伴わずに使える代名詞です。
日本語では「私のもの」「彼のもの」のように、「もの」まで含んで表します。
- That pen is mine.(あのペンは私のものです)
- This book is hers.(この本は彼女のものです)
名詞を繰り返さずに済むため、文がすっきりする効果もあります。
所有格「its」と短縮形「it’s」の違い
英語学習者の中でも混同しやすいのが、「its」と「it’s」の違いです。両者は発音は同じですが、意味と役割がまったく異なります。
its:所有格(所有関係を表す)
「its」は 所有格(形容詞) で、物や動物が「何かを持っている」状態を表すときに使います。
- The dog is wagging its tail.(犬が自分のしっぽを振っている)
- This book has lost its cover.(この本は表紙をなくしてしまっている)
名詞の前に置いて「その〜」という所有を表します。
また、常に名詞とセットで使われ、単独では存在できません。
「it’s」=「it is」または「it has」の短縮形
「it’s」は 「it is」 または「it has」 の短縮形(=省略形)です。
主語「it」に動詞 is や has がついた形を、会話やカジュアルな文で短く表すために使います。
【例文(it is の場合)】
- It’s a beautiful day.(今日はいい天気だ)
- It’s very cold outside.(外はとても寒い)
【例文(it has の場合)】
- It’s been a long time.(久しぶりだね)
- It’s just started to rain.(雨が降り始めたばかりだ)
まとめ
- 所有格は 人や物の所有関係を示す語で、名詞の前に置かれる(my, your, his など)。
- 所有格は 名詞と一緒に使う必要があり、単独では使えない。
- 所有格は人称代名詞に対応して形が決まっており、性別・単数・複数に注意。
- 「its」は「it’s(= it is)」と混同しないようにしよう。
- 所有格と所有代名詞(mine, yours など)の違いを理解し、文の構造に合わせて使い分ける。