初級文法

Lesson 01|英語の語順(基本の5文型)

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青葉

英語では、語順は文の意味を決める大切な要素です。

日本語では「私はリンゴを食べる」「リンゴを私は食べる」のように、語順をある程度自由に変えられますが、英語では語順を間違えると意味が通じなくなります。

このレッスンでは、英語の語順の基本である 5つの文型(SV/SVO/SVC/SVOO/SVOC) を紹介し、それぞれの使い方を例文とともに解説します。

文型を理解することで、英文の構造が見えやすくなり、正確な表現力が身につきます。

英語の語順と5文型の基本ルール

英語は「語順」が重要な意味を持つ言語です。語順が崩れると文の意味そのものが伝わらなくなるほどで、英語の語順=文の骨組みとも言えます。

英語の語順は、基本的に「主語 → 動詞 → その他の要素」の順に並びます。これは英語にとって非常に強いルールで、例外はほとんどありません。

この語順ルールをもとに、英語の文は主に次の5つの文型に分類されます。

文型構成例文文の意味
第1文型(SV)主語+動詞She sleeps.彼女は眠る。
第2文型(SVC)主語+動詞+補語He is a doctor.彼は医者だ。
第3文型(SVO)主語+動詞+目的語I play tennis.私はテニスをする。
第4文型(SVOO)主語+動詞+間接目的語+直接目的語She gave me a gift.彼女は私にプレゼントをくれた。
第5文型(SVOC)主語+動詞+目的語+補語They call him Tom.彼らは彼をトムと呼ぶ。
補語(C)とは?

補語(Complement)とは、主語や目的語の「説明」や「状態」を補足する語句のことです。補語には名詞、もしくは形容詞が使われます。

  • He is tired.(補語=tired)

be動詞や become, seem などを使って主語の性質や状態を説明し、主語と補語は「=」の関係になるのが特徴です。

例文と解説

【第1文型 (SV)】The baby cried.(赤ちゃんが泣いた)

文型は SV(主語+動詞)。第1文型は、主語と動詞だけで完全な意味を表せる構文となります。主語は The baby で、定冠詞 the + 名詞 baby(赤ちゃん)という構造です。動詞 cried は動詞 cry の過去形で、自動詞(他に目的語を取らず、単独で完結する)でもあります。

【第2文型 (SVC)】My father is kind.(父は優しい)

文型は SVC(主語+動詞+補語)。主語は My father(私の父)で、動詞 is は be動詞(主語の状態や属性を説明する動詞)です。補語 kind は形容詞で、「父」という主語がどのような人かを表します。SとCの間には「=」の関係が成り立っています(My father = kind)。

【第3文型 (SVO)】She likes music.(彼女は音楽が好きです)

文型は SVO(主語+動詞+目的語)。主語 She は三人称単数で、動詞 likes は「like」の三人称単数現在形です。動詞 like は他動詞であり、目的語なしでは意味が成立しません。そのため、目的語として「music」 をとっています。また、音楽全般を指す music は、冠詞が必要ない不可算名詞となります。

【第4文型 (SVOO)】He told me a story.(彼は私に物語を話した)

文型は SVOO(主語+動詞+間接目的語+直接目的語)。2つの目的語を取る動詞(give, send, tell など)でよく使われる構文です。例文では、「me」が間接目的語(=誰に)、「a story」は直接目的語(=何を)となります。語順は「人(me)→物(a story)」が基本ですが、物を先にする場合は前置詞 to を用います(例:He told a story to me.)

【第5文型 (SVOC)】We made her happy.(私たちは彼女を幸せにした)

文型は SVOC(主語+動詞+目的語+補語)。動詞 make は「OをCの状態にする」という意味で、この用法では「目的語+補語」を必要とします。例文では、「her」が目的語、「happy」が補語(目的語を説明)となっています。O(her)とC(happy)の間に「=」関係があります(彼女=幸せな状態)。

文法のポイント解説

第1文型(SV)|主語+動詞だけで意味が伝わる最小構文

第1文型(SV)は、「主語(S)+動詞(V)」の2つだけで文が成り立つ構造です。

動詞が「自動詞」で、後ろに目的語を取らない場合に使われます。

  • The baby cried.(赤ちゃんが泣いた)
  • He sleeps.(彼は寝る)

この文型は、主語と動詞だけで完結するため、英語の最小単位の文といえます。

また、自動詞のあとには副詞句や前置詞句(in the morning / at the stationなど)を加えて意味を広げるのが一般的です。

第2文型(SVC)|主語と補語が「=」の関係

第2文型(SVC)は、「主語(S)+動詞(V)+補語(C)」という構成で、主語の性質・状態・身分などを補語で説明します。

be動詞(am, is, are)や、become, seem などの「状態を表す動詞」が使われます。

  • He is a teacher.(彼は教師です)
  • The soup smells good.(スープは良い匂いがする)

第2文型(SVC)の「C」にあたる補語には、名詞もしくは形容詞が使われます。

  • 名詞 → 身分・職業など(a student, a doctor)
  • 形容詞 → 状態・性質(happy, tired, angry)

「主語=補語」の関係になることを意識することで、文の意味がわかりやすくなります。

第3文型(SVO)|主語+他動詞+目的語の最も基本的な語順

第3文型(SVO)は、英語で最も頻繁に使われる構文です。

主語の「行動」によって何かしらの「対象(目的語)」が関係する文になります。

  • She likes music.(彼女は音楽が好き)
  • I read a book.(私は本を読む)

ここでの music や a book が目的語(O)です。動詞 like や read は他動詞であり、目的語なしでは意味が成立しないので注意しましょう。

他動詞のポイント

他動詞を使っているにもかかわらず目的語を置かないと、文として不自然になります。

  • × I eat. (私は食べる)→目的語がないと、「何を食べるの?」となる

他動詞には、「~を」「~に」といった直接的な目的を伴う動詞が多くあります(eat, watch, play など)。

そのため、「AをBする」を表すのが他動詞、と考えると理解しやすくなります。

第4文型(SVOO)|「人に物を与える」構文

第4文型(SVOO)は、動詞が「間接目的語(人)」「直接目的語(物)」の両方を取るときに使われます。give, send, tell, teach などの動詞が典型的です。

  • She gave me a book.(彼女は私に本をくれた)
  • He told us a story.(彼は私たちに話をしてくれた)

上記の例文では、「me」「us」が間接目的語、「a book」「a story」が直接目的語です。

各目的語の順番は、人(間接目的語)→ 物(直接目的語) が基本となります。

ただし、同じ意味でも、「物+to+人」の形に言い換えることも可能です(例:He sent a message to me.)

第5文型(SVOC)|目的語の「状態」や「呼び名」を補語で表す

第5文型(SVOC)は、動詞が目的語と補語の両方をとり、目的語がどうなったか・どうであるかを補語が説明する構文です。

  • We made him angry.(私たちは彼を怒らせた)

上の例文では「him」が目的語、「angry」がその状態を表す補語です。

つまり、動詞と目的語の間に「何が起きたか」「どんな結果になったか」という関係性を示すのが第5文型の特徴です。

第5文型に使われる動詞は限られており、make, name, call, find, keep, consider などがよく登場します。

注意点

第3文型(SVO)と第5文型(SVOC)を混同しないようにしましょう。

第3文型は「動詞+目的語」まで、第5文型は「動詞+目的語+補語」まで必要です。

補語がないと意味が不完全になります。

  • We made him angry.(私たちは彼を怒らせた)
  • ×We made him.(「私たちは彼を作った」という不自然な文に)

まとめ

  • 英語では、語順が意味を決定する。
  • 英語の文は「5文型」に分類されることで、文の構造が明確になる。
  • SV(第1文型):自動詞のみで文が成り立つ。
  • SVC(第2文型):主語を補語で説明。「=」の関係。
  • SVO(第3文型):他動詞と目的語を使う最も基本的な文型。
  • SVOO(第4文型):「人に物を与える」といった動詞で2つの目的語を取る。
  • SVOC(第5文型):目的語の状態や呼び名を補語で表現する構文。

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