無生物主語の使い方|物や事柄を主語にする際のポイント解説

英語では、人間以外の「もの」や「事柄」が主語になって文を作ることがよくあります。これを「無生物主語」と呼びます。
「天気」「時間」「状況」「物事」などが主語になることで、英語らしい自然な表現が可能になります。
今回は、無生物主語の基本的なパターンと使い方を解説します。
1. 無生物主語とは?
無生物主語とは、その名の通り「人以外のもの・事柄」が文の主語になることです。
例えば、日本語では「この本には有益な情報が書かれている」と表現しますが、英語では「本が情報を与える」と言います。
- The book gives us useful information.
(その本は私たちに有益な情報を与えてくれる)
また、日本語で「この道を行けば駅に着く」と言う場面では、英語では「道が駅へ通じている」と表現します。
- This road leads to the station.
(この道は駅に通じている)
このように「物や状況が〜する」と表現することで、簡潔で客観的な文章が作れます。
2. 無生物主語の主な使い方
2-1. 感情や行動の発生を表す
出来事や物事が「人に感情を起こさせる」「行動を促す」ときに無生物主語が使われます。
- His words made me happy.
(彼の言葉は私を幸せにした) - The news surprised everyone.
(そのニュースはみんなを驚かせた)
日本語では「私は驚いた」と言いますが、英語では「ニュースが驚かせた」と表現するのが自然です。
2-2. 道や手段がある結果につながることを表す
道、鍵、手段などを主語にして、「それが〜へ導く」「〜を可能にする」という意味を表せます。
- This key opens the door.
(この鍵でドアが開く) - The Internet connects people all over the world.
(インターネットは世界中の人々をつなぐ) - This road takes you to the city center.
(この道を行けば街の中心に着く)
日本語では「鍵を使えばドアが開く」と言いますが、英語では無生物主語を用いて「鍵が開ける」と表現します。
2-3. 時間・天気・状況を主語にする場合
時間や天気、出来事も無生物主語としてよく使われます。
- It is raining.
(雨が降っている) - It will take two hours to finish this work.
(この作業を終えるのに2時間かかるだろう) - The meeting lasted three hours.
(会議は3時間続いた)
日本語では人を主語にして「私は3時間会議をした」と表すのに対して、英語では「会議が3時間続いた」と表現します。
3. 無生物主語を使うメリット
無生物主語を使うメリットとして、文章が簡潔になる点が挙げられます。
例えば日本語で「手紙には予定が書いてあった」と言う場合、英語の無生物主語を使えば「手紙が予定を知らせた」とシンプルな文章にできます。
- The letter informed us of the schedule.
(手紙が予定を知らせた → 手紙には予定が書いてあった)
また、無生物主語を使うことで文章が客観的になるという利点もあります。
- The experiment shows that the theory is correct.
(その実験は理論が正しいことを示している)
科学論文やビジネス文書では「研究が示す」「結果が表す」といった、無生物主語を用いた言い方が頻出します。
4. まとめ
- 無生物主語とは、人以外(物・事柄・状況)を主語にする表現。
- よくある表現パターン
1. 物事が人に影響を与える(The news surprised us.)
2. 道や手段が結果につながる(This road leads to the station.)
3. 時間・天気・状況を主語にする(The meeting lasted three hours.) - 無生物主語を使うことで、簡潔で客観的な表現になる。